むかしむかしある所に
あずさんとさやさんが住んでいました
あずさんは山にしいたけ狩りに
さやさんは山にイノシシ狩りに出かけました
ある日、あずさんは山で黄金に輝くしいたけを見つけました
あずさんは、『高く売れそうだ』と思い、そのしいたけを摘み取ろうとしました。
しかし、しいたけはいくら引っ張ってもうんともすんとも動きません
困ったあずさんは、さやさんに手伝ってもらう事にしました
あずさん『さやさんや~』
さやさん『どうしたの、あずさん』
あずさん『山で金のキノコを見つけたから、取るの手伝っておくりゃんせ』
さやさん『あんれま、そりゃほんとかいえ?んだらばいきましょうや』
二人はどこの方言だか分からない怪しい会話をしながら山へ向かいました。
するとそこには、あずさんが言う通り黄金のしいたけが生えていましたが、
どういうわけか、しいたけは前に見た時より大きく育っておりました
二人は力を合わせ、うんとこどっこいしょと引っ張りましたが、
とうとう二人がかりでも引き抜くことができませんでした
二人が途方に暮れて、しいたけの前で悩んでいると、
そこに大きな大きなイノシシが一匹現れました
イノシシは言いました。
『そんらばキノコ、引っこ抜いてやるさかい、おらば追い回すのやめてくんれろ』
さやさんは少し悩みましたが、
デカい肉より金のキノコのほうが高く売れると考え、イノシシの申し出にうなずきました
それから二人と一匹は、力を合わせて黄金のしいたけを引っ張りました
うんとこせーどっこいしょ、うんとこせーよっこいしょ、
みんなで力を合わせると、しいたけは『ずずずずずー』と大きな音を立てて引き抜かれました
さやさんは飛び跳ねて喜び、あずさんはしいたけをかごに入れました
そしてイノシシは『約束じゃけえ、おらばこれで失礼するじゃよ』と言い、山へ帰っていきました
それから二人はしいたけを売り、村一番のお金持ちになりましたとさ
めでたしめでたし